調査レポートREPORT
- 2026年10月30日
- コラム
【アフリカ日記vol.17】テレビ、スマホ、モバイルマネー、知られざるケニアのスラムの暮らし
✓ 「スラム=貧困、危険」というイメージと実態のギャップ
✓ ケニアのキベラスラムでは、人々はスマホを使い、働き、家賃を払いながら、都市の一員として暮らしている
みなさん、こんにちは、清水です。
実は先日、テレビ東京「モーニングサテライト」の「なるほど・ザ・新興国」コーナーに、ケニアから生出演させていただきました。
約8分間、ケニアの経済やビジネス環境についてお話しています。
テレ東BIZでご覧いただけますので、ご興味のある方はぜひご覧ください!
“地銀”のアフリカ進出 その狙いは?【なるほど・ザ・新興国】|テレ東BIZ
今回は、番組内で少し触れたケニアの「スラム」についてご紹介します。スラムと聞くと貧困や治安のイメージが先行しがちですが、
実際にはスマホやモバイルマネーが浸透し、人々の暮らしや経済活動を支える一面もあります。
そんなキベラスラムの日常をご紹介します。
ケニアには、東京ドーム約53個分の広さを持つ、アフリカ最大級の「キベラスラム」があります。
ナイロビ市内の中心部に位置し、CCIアフリカのオフィスからも車で数分の距離にあります。
キベラスラムには、トタン屋根の小さな家が密集しています。
細い道の両側には住宅や商店が並び、道路、上下水道、衛生設備などのインフラも十分に整っているとはいえません。

「スラム」と聞くと、危険や犯罪といった怖いイメージを持つ方も多いと思います。しかし、キベラスラムの暮らしを知ると、そのイメージが少し変わります。
➤キベラスラムには、どのような人が住んでいるのか
キベラには所得水準の低い方が多く住んでいますが、スラム内で商店や飲食店を営む人もいれば、ナイロビ市内や周辺の職場へ通勤し、建設、警備、清掃、運転、家事などの仕事に従事している人もいます。
地方から仕事や教育の機会を求めてナイロビへ移り、住居費を抑えるためにキベラで生活する若者や家族も多くいます。
➤スラムの暮らしは家電製品だらけ?
簡素な外観とは対照的に、住宅の中ではテレビ、パソコン、冷蔵庫、調理器具など、さまざまな家電製品が使われています。テレビを見たり、音楽を聴いたり、インターネットを利用したりする日常は、私たちの生活とそれほど変わりません。外から見える街の姿と、その中で営まれている暮らしには、想像以上に大きなギャップがあります。

➤スラムの中でもスマホ生活
キベラの暮らしにもスマホは必需品です。
ケニアでは、携帯電話を使ったモバイルマネー「M-PESA」が広く普及しています。家族や知人への送金だけでなく、キベラ内での日常の買い物やサービスの支払いにも利用されています。
キベラで暮らす人々にとって、スマホは、財布、銀行、情報源、そして仕事道具になっています。
➤実は家賃を払って生活している
意外なのは、キベラに住むためにも家賃がかかることです。スラムだから無料で住んでいると思われるかもしれませんが、キベラにも住宅の所有者と借家人がいます。簡素な住宅であっても、多くの住民は毎月家賃を払って生活しています。
地域内には、食料品や日用品を扱う商店、飲食店、美容室、衣料品店、携帯電話や家電製品の修理店などもあり、決して豊かな地域ではありませんが、そこには独自の経済圏があります。
➤スラムの横にはゴルフ場
キベラのすぐ近くには、きれいに整備されたゴルフ場があります。
トタン屋根の住宅が密集する地域とゴルフ場が隣り合い、まったく異なる二つの世界がすぐ隣に存在しています。
両者は塀で仕切られていますが、非常に高く堅牢な壁で完全に隔てられているわけではありません。それでも、住民が塀を越えてゴルフ場に侵入するようなことはなく、それぞれの生活空間が隣り合いながら成り立っています。
この風景は、ナイロビの大きな経済格差を表す一方で、スラムが都市から隔離された別世界ではなく、ナイロビの街の一部として自然に共存していることも示しています。
おそらく、皆さんのスラムのイメージも大きく変わったのではないかと思います。
キベラスラムの暮らしから見えてくるのは、貧困や社会課題だけではなく、デジタル技術が浸透し、人々の暮らしや商売を支えているという、ケニア社会の意外な一面です。
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