調査レポートREPORT

2026年05月07日
コラム

【アフリカ日記 vol.14】アフリカの飛行機✈危ない、古い、不便??

✓ アフリカの航空業界は安全性や機材面において改善傾向
✓ 不便さという構造課題はあるものの、エチオピア航空に象徴されるように成長ポテンシャルは大きい

 我々はケニアを拠点にして、これまでアフリカ域内約10か国へ訪問してきました。もちろん、移動は飛行機を使いますが、アフリカの飛行機と聞いて、皆さんどんな印象ですか?おそらく、「危なそう」「古そう」「不便そう」とマイナスイメージだと思います。

今回は、そのようなアフリカの航空業界について、一般的なイメージと実際の姿を整理してお伝えします。

「危なそう」 → 実は安全性は着実に改善している

アフリカの航空会社が「危ない」と言われる大きな理由は、国際的な安全ランキングで上位に入らないことです。しかし、このランキングは過去の事故データに重心が置かれており、現在の改善がすぐに反映されない仕組みになっています。実際には、国際基準の監査導入、重大事故件数が過去10年以上で大幅減少というように、安全性は確実に向上しています。

② 「古そう」 → 新しい機材を導入する航空会社も増えている

アフリカの主要航空会社はむしろ新しい機材の導入に積極的で、機内の内装や機体の外観も、実際には想像されがちなイメージほど大きな違和感はありません。一方、短距離路線ではプロペラ機(ターボプロップ)を使う会社も多く、揺れや、プロペラの回転音で機内がうるさく感じる体験は“あるある”ですが、これは機材の老朽化というより路線特性によるものです。

ちなみに、写真はアフリカ路線の機内食の一例です。航空会社や路線によってサービス内容に差があり、国際線であったとしても提供内容がパンのみといった簡素なケースもあります。

「不便そう」 → 便は少なく、LCCもない。遅延、欠航もよく起こる。

アフリカ域内便は便数が少なく、利便性が低いという点は否めませんが、便数が少ないのは、航空需要やコスト構造から起因しています。

  • 国・都市間の需要が限定的で、隣国同士でも直行便が成立しにくい
  • 輸入依存や競争・インフラ制約により、航空燃料価格が構造的に割高
  • 整備・部品を海外に依存しており、保守コストが高い
  • 国ごとに航空規制が異なり、域内自由化が進んでいない

といった背景があり、便数が増えにくく、結果として実は運賃も高くなりがちです。東南アジアでの同距離区間の価格と比べると、感覚的には2-3倍です。LCCは「安さの代わりに高い稼働率で回すモデル」ですが、アフリカは需要・コスト・制度面の制約により高稼働率を前提とした運航が成立しづらい環境にあります。このため、結果としてLCCがほとんど展開できていないのが実情です。

なお、遅延・欠航が頻繁に起こるエアラインも存在するため、アフリカ域内を移動する際は緊張感と余裕をもった行動が大事です。数分程度の遅れに関しては”on time”として扱われることも多く、定刻ならラッキーくらいの心構えで臨むことがポイントです。

 

アフリカ航空業界の成功例:エチオピア航空の圧倒的な戦略性

遅延が常態化する航空会社がある一方で、エチオピア航空のように評価をうけているエアラインもあります。

彼らは、

  • 新型機を大量導入して国際ネットワークを拡大
  • コロナ禍では、他社が撤退した路線を安価に買い取ってシェア拡大
  • 旅客機を貨物機に改造して収益確保
  • 他国の航空会社へ出資し、アフリカ全体のネットワークを掌握

と、圧倒的な柔軟性と攻めの経営で「アフリカの空」を制しています。この姿は、アフリカ航空市場のポテンシャルと、戦略次第で大きく伸びる可能性を象徴しています。

また、昨今の中東情勢の悪化により中東経由便のリスクが高まっていることから、これに代わってエチオピア航空を利用し、エチオピアのアディスアベバを経由地としてアフリカ域内および欧州と往復する旅行者・出張者が大幅に増加しています。

アフリカの航空会社には多少の課題やトラブルがあるものの、エチオピア航空をはじめとする有力企業も増えており、実際に乗ってみると意外快適に利用できることが多いのも事実です。

皆様も、ぜひいつか、アフリカ域内便をお試しください!✈

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