調査レポートREPORT
- 2025年11月25日
- コラム
【アフリカ日記vol.10】 ケニアの救急車事情
✓ ケニアの救急サービスについてご紹介
日本では、119に電話すると数分で救急車が到着しますが、このような環境は決して当たり前ではありません。
緊急時に救急車がすぐに来るかどうかは、命に関わる問題ですが、ケニアでは公共の救急サービスがないのが現状です
今回は、ケニアの救急車事情と、そこに挑むスタートアップ「Rescue」についてご紹介させていただきます🚑
■ ケニアの救急車事情
- 到着までにどれくらいかかる?
世界保健機関(WHO)は、理想的な救急車到着時間を「10分以内」としていますが、ケニアでは平均162分(約2時間42分) かかるというデータがあり(出所:Business Daily)、世界的に見ても非常に遅い状況です。
これでは、事故や病気による「ゴールデンアワー(最初の1時間)」を過ぎてしまう可能性が高く、命を救うチャンスを逃すことになりかねません。
- 遅れる理由はシンプル
・交通渋滞・道路の未整備
ナイロビの大渋滞は有名ですが、救急車も例外ではありません。地方は道路そのものが未整備で、移動に時間がかかります。
・住所が分からない問題
住所表示や道路標識が不十分で、現場までたどり着くのが難しいことも多いです。
・統一の緊急番号がない
日本の119のような番号がなく、各病院に直接電話し救急車を依頼する必要があります。緊急時にどこに電話すればよいのかが分からないという事態も頻発し、有料かつ搬送距離によって値段も変わるため、誰もが安心して使えるシステムとはいえません。
■そこで登場したのが「Rescue」
Rescueはケニアの救急医療を変えようとしているスタートアップで、「救急車版Uber」と呼ばれています。
・専用のホットラインで救急車を呼べる
会員は専用のホットラインに電話をすることで、Rescueと提携するネットワークの中から、最寄りで対応可能な救急車の手配を受けることができます。
・最適な車両を配車
ディスパッチセンターでは、救急車の位置情報や整備状況などがリアルタイムで共有されており、その情報をもとに最適な車両を素早く配車します。将来的には、AIを活用することで、より高速かつ効率的な配車ができるよう開発を進めています。
・サブスク型で安く利用できる
年間数千円で利用できるサブスクプランを導入しており、低価格で利用しやすい点も特徴です。
■Rescueが目指す未来
Rescueは「救急車が来ない」というケニアの根本課題をテクノロジーで解決しようとしています。特に到着時間が極端に遅い地方では、そのインパクトは非常に大きく、医療アクセス改善につながっており、今後はケニア全体への普及に加え、同じ課題を持つ他の新興国への展開も期待されています。
“救急車がちゃんと来る”という当たり前を実現する。Rescueの挑戦は、その第一歩とされています。
写真:Rescueオフィス訪問時に筆者撮影


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