調査レポートREPORT
- 2025年02月21日
- コラム
【アフリカ日記vol.2】 すごいぞ、ケニアのモバイルマネー
- ケニアモバイルマネーは先進国以上に普及している。
- ファイナンスなどにも活用されており、独自のサービスがケニアでは展開されている。
みなさん、こんにちは。CC Innovation Africaの清水です。
ケニア生活を開始し9か月経過しましたが、実は私はケニアでは全く現金を持ち歩いていません。カード決済が出来る店舗が多いというのもありますが、一番の理由はモバイルマネー「M-Pesa」の存在です。
ケニアのモバイルマネー 「M-Pesa」
- ケニアは、別名「シリコンサバンナ」と呼ばれ、アフリカ経済のデジタル化を牽引する地域で、そのテックの中心にいるのがモバイル決済サービス「M-Pesa」です。
- ケニアでは、農村部や地方に銀行インフラが届いておらず、また低所得者も多いことから、銀行口座の必要性がなく、口座保有率は3割程度となっています。一方、携帯電話回線数は人口の130%以上で、マサイ族など民族も今やスマホを持っています。
- 2007年に、ケニアでモバイル決済サービス「M-Pesa」が誕生し、今や、金融インフラになっています。2007年を思い出すと、私はまだガラケーでしたが、その時代からケニアではモバイルマネーが動き出していたことは本当に驚きます。
M-Pesaのすごいところ
①携帯電話SIM購入ですぐに利用でき、基本どこでも使える
- M-Pesaは、Safaricomという大手キャリアが展開するサービスで、携帯電話SIMを購入すれば即日利用できます(旅行者の方もプリペイドSIMを購入すればすぐ使えます)。
- 入金は、街のいたるところにあるM-Pesaの看板のあるお店(様々な小売店が副業として実施)に行けば、現金チャージができます。もちろん、アプリ上でクレジットカードや銀行口座からの振替なども出来ます。
- 街中のレストランや小売店はもちろん、地方のお店でも、基本的にこのモバイルマネーで決済することができ、私はケニアで現金を基本持ち歩きません。
②モバイルマネーが現金化できる
- 手数料は若干かかりますが、モバイルマネー残高を簡単に現金化することができます。
- なので、個人間送金であっても、お店の売上であっても、M-Pesaで資金を受け入れることに誰も何の抵抗もありません。
③ファイナンスでも、かなり広く使われている
- また、金融機関のファイナンス業務などでもM-Pesaは活用されています。
- 例えば、マイクロファイナンス(低所得者向けファイナンス)では、ほとんど、M-Pesaで融資、返済の手続きを行っています。
- また、審査の際もM-Pesaの使用履歴で審査が完了するなど、ケニアならではのサービスが展開されています。
ケニアのモバイルマネーはスマホとともに急速に拡大し、普及率は先進国を超えています。これは、いわゆる「リープフロッグ」と呼ばれ、発展途上国に最新技術が入ることで、従来先進国が歩んだ道を通らずに短期間で進化する現象です。今後アフリカで、どのようなリープフロッグが出現するのか、それらをリアルにどれだけ体験できるか、ますます楽しみです!
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