Report市場調査レポート

グローバル展開における海外ガバナンスの最適化と強化

公開日:2023年9月11日

 

ポイント

  • 今後、海外拠点を持つ企業には、組織内のガバナンス改革がますます求められる。
  • 一方で適切なガバナンスの難易度は高く、効果的な海外マネジメント体制確立が必要。

多くの企業が海外展開を進める中で、現地と本社のコミュニケーションの課題やリスク管理の不足が浮き彫りになっています。適切なガバナンスが欠如していることから、現地法人の運営に円滑さが欠け、組織の信頼性や透明性が不足している状況が見受けられます。こうした課題は、地域や現地法人の規制・課題の側面からみると、リスク情報の把握が困難であり、本社からの適切なコントロールとガバナンスの維持も難しい状況です。

 

シンガポール企業も行動規範が不十分

多くの企業が海外展開においてガバナンスの不十分さに直面しています。海外展開における適切なガバナンスがない場合、異なる法律や文化的背景から生じる課題が企業の評判や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
2023年7月28日Straits Times(シンガポール最大の新聞)の記事によると、コンプライアンスに関するソリューション企業の米LRNは、「2023年度行動規範に関する報告書」を発表しました。同報告書によると、行動規範の効果的な運用に必要な項目が不十分な企業が多く存在することが明らかになりました。特に、シンガポール企業が報告書に初めて含まれる結果から、ガバナンスの成熟度が比較的高いとされるシンガポールでさえもコンプライアンス・ガバナンスに関する課題が浮き彫りになりました。
行動規範は、組織や企業が従業員や関係者に求める行動基準を示す文書です。組織のビジョンやバリューを反映し、良い行動を指針として示します。しかしながら、同報告書によると、効果的な行動規範に必要な項目が欠如している企業が存在し、組織全体の信頼性や行動の一貫性に影響を与える可能性が高まっています。

 

現地企業の実際の声

海外展開におけるグローバル体制の確立は重要ですが、実際には多くの企業が以下の課題に直面しています。

  • 本社と現地間の意識の不一致
  • 経営層のマネジメント経験や人材育成の不足
  • 海外展開に対する本社と現地の不安要素
  • 組織内の情報共有の課題

またシンガポールなどの現地企業はジョブホッピング(頻繁な転職)も多く、優秀な人材が確保できない悩みや、新興国であれば労働者保護が強いため、問題発生時も簡単に解雇できないことも多くなっています。また国内の海外部門、グループ会社管理部門は十分な支援や管理体制まで手が回っておらず、目が行き届いていないケースがほとんどで、本社支援体制が不十分と言えます。

➢各地域・現地法人で様々な規制や課題があり、正確なリスク情報の把握は困難であり、本社からのコントロール(内部統制)と適切なガバナンスの難易度が高くなっている。


出典:JETRO「2022年度海外進出日系企業実態調査アジア・オセアニア編」

実際に弊社の現地クライアントからの声によると、本社とのコミュニケーションの不足が課題として浮かび上がっています。良い意味でも悪い意味でも「現地任せ」の傾向があり、現地法人の実態を把握するのが難しいと感じています。財務内容や計画進捗の報告はあるものの、本質的な改善ができていないことを認識しています。海外子会社への「現地任せ」から脱却し、グループ本社として必要な機能を積極的に発揮する仕組みを構築することが重要です。
弊社では、海外現地法人における効果的なガバナンス体制構築に向けて、ビジネス状況の可視化・実態把握や現地法人の課題の抽出、アクションプランの策定、計画の実行および進捗状況の把握・要因分析などを行っています。定例会議への参加を通じて、本社と現地法人が一体となってガバナンス強化の改善を行っています。現地法人が持続的な成長と信頼性を確保するためには、積極的な取り組みが必要であり、またグローバルスタンダードに適合した企業としての価値を高めることが重要です。
私たちはコンサルタントによる第三者目線によるグローバルな視点と、現地におけるローカルコンサルタントの現地理解を融合させ、お客様の独自のニーズに合ったソリューションを提供しています。

 

CCイノベーションのコンサルティング

CCイノベーションでは、内部統制、ガバナンスなど、クライアントの個別ニーズに合わせたコンサルティングをご提供しております。また、各国の現地法人のお客さま向けのみならず、新たに海外進出・展開をご検討される国内のお客さま向けにも広くコンサルティングサービスをお届けしますので、海外に関連するビジネスをご検討でしたらぜひ一度お気軽にご相談ください。

 

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