Report市場調査レポート

人材確保と定着に向けて

公開日:2023年6月19日

ポイント

  • 深刻な人手不足や労働時間の制約に対応し、各社は人材採用強化や生産性向上に注力
  • 経営戦略と紐づいた人材戦略を進めることが人材の確保や業績の向上につながる
  • 人材採用においては、企業の成長ステージなど各社の状況に応じた制度設計が重要

 

中小企業は、深刻な人手不足に直面している

中小企業の雇用状況は厳しさを増しています。業種別の従業員の過不足状況に関する調査によれば、2013年第4半期にすべての業種において従業員過不足指数がマイナスになり、その後は年々人手不足感が強まっています。
2024年4月以降は、従業員の時間外労働に関する上限規制がほぼすべての業種・業務において適用されることから、人手不足の傾向はさらに強まることが予想されます。


(出所:中小企業庁「中小企業白書 2022」)

 

各社は、人材採用の強化と生産性向上に取組

人手不足への具体的な対応として、人材採用の強化(正社員の採用、パートタイマーなど有期雇用社員の採用)や省力化投資等を通じた生産性向上策(業務プロセスの見直しや社員の能力開発、IT等設備投資を通じた生産性向上策)が見られます。
こうした施策をバランスよく組み合わせ、従業員が働きやすい環境をしっかり整備することが経営者にとって重要な課題となっています。


(出所:中小企業庁「中小企業白書 2023」)

 

「人的資本経営」と人材戦略

直近10年間の企業における人材戦略の策定状況を見ますと、「策定した」と回答した企業は約6割であり、過半の企業で人材戦略が策定されていることがわかります。
近年では、人材を会社の資本と捉えて、その価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値向上につなげる経営のありかたとして「人的資本経営」の重要性が指摘されています。持続的な企業価値の向上を実現するためには、ビジネスモデル・経営戦略と人材戦略がしっかり連動していることが不可欠と考えられます。


(出所:中小企業庁「中小企業白書 2023」)

 

人材戦略策定は人材確保と業績向上につながる


(出所:中小企業庁「中小企業白書 2023」)

経営戦略と人材戦略との紐づけ状況別に、売上増加率の水準(中央値)を見たところ、両戦略を紐づけた企業の売上高増加率は紐づけなかった企業に比べて高くなっています。また、人材戦略の策定状況と従業員増加率の状況を見たところ、人材戦略を策定した企業は、策定しなかった企業に比べて従業員増加率も上回っていることがわかります。
経営戦略を具体的に実行していくのは、最も重要な経営資源である「人材」です。経営戦略と人材戦略を一体的に構想することで、戦略実行に必要な人材像や育成方針が明確化され、戦略の実効性が高まり、結果として業績の向上と従業員の定着にも繋がっていくと考えられます。

 

人材採用にあたっての課題

北國銀行が2022年10月に実施した「企業の人材採用における課題」に関するアンケート調査(対象企業185社、回答者数137社)では、自社と求職者のマッチングや自社の採用体制の問題点が寄せられました。採用後のミスマッチの解消や定着・育成環境をいかに整備するかもポイントと考えられます。こうした体制整備や仕組化は時間と労力を要しますが、企業の成長ステージや業界特性等に応じた制度設計が重要です。また、一旦整えれば完成ではなく、環境変化に合わせて常に改善を重ねる必要があります。


(出所:北國銀行「第 203 回景気動向調査(2022 年 10 月実施)」)

 

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