Report市場調査レポート

タイにおけるペット関連市場

公開日:2022年12月12日

ポイント

  • タイにおけるペット関連市場規模は年率約10%で上昇しており、今後も5~10%の成長が
    予想される。
  • ペットを人間と同様に扱うようになっており、消費者はより高品質な商品を好む傾向がある。

 

タイの所得水準は年々増加しており、近年では消費地として日本からサービス業などの進出が増加しておりますが、今回はタイの成長市場の一つであるペット関連市場に焦点を当ててお話します。

ペット関連市場の市場規模・特性

①市場規模
タイのペット産業の市場規模は2021年で418億タイバーツ(約1,630億円)となっており、2016年から年率10%近い成長を遂げており、2027年までに707億タイバーツ(約2,745億円)以上成長できると予測されます(図表1)。タイのGDP成長率を上回る高い成長率を維持しており、日本の2021年の成長率約1.8%と比較しても、成長産業の一つととらえることが出来ます。


出典:wm-strategyを基に弊社にて作成

②ペット産業別売上シェア
タイ国内のペット産業別の売上シェアを見てみると、「ペットフード」が約45%を占め、次いで動物病院、ホテル、グルーミングなどの「ペットケア」が32%、「ペット関連グッズ」が23%となっています(図表2)。2021年ではタイが約720,000トンのペットフードを輸出し、世界で3位を獲得しており、2025年には世界1位に達する可能性があるとタイペットフード貿易協会会長が述べています。

出典:Mordor Intelligenceを基に弊社にて作成

③ペット数の推移と種類
タイペット商品協会によるペット人口調査の2020年の時点では約1,450万匹で「犬」が62%、「猫」が23%、「その他」が15%を示していました。タイでもペットとして犬・猫が人気ですが、2020年以降のPET EXPO(タイ国内のペット関連展示会)では鳥、蛇、うさぎ、ネズミなどの新たに展示ブースが登場し、犬・猫以外のペットにも注目が集まっています。

④SNS商品トレンド
SNSではオーナーの手間を省けるアイテムが次々とタイのマーケットに登場しています。ペットの自動トイレ、グルーミングキット、そして、清掃グッズなどがSNSで話題となっています。
    

 

タイのペットの人間化、家族化

日本でも同様ですが、タイでもペットの人間化が進んでいます。ペットを一人の家族として扱い、ペットに多くの費用をかけることをいとわない層が増えています。2021年のペットにかけた年間費用 の平均は1匹あたり14,200タイバーツ(約55,380円)となっており、その額は年々増加しています。
ペット向けの新しいサービスとして、ペットに優しい宿泊施設やペットカフェが増加しており、ペット愛好家は週末にペットとともにそれらの場所を訪れています。また、最近ではペット保険もタイ国内で開始しており、加入者が増加しています。ペットと隣で乗れる飛行機のサービスも現れています(下写真:タイ格安航空のNok Air社の広告)

この傾向は特に若年層に強く、年齢が高くなるにつれて逆のトレンドとなります(図表3)。これは、ペットのために費用をかける層は若年層が多いということですが、この若年層は将来の所得も増加していくため、最も大きな消費グループとなることが想像されます。この若年層に対して効果的にアプローチするには品質にこだわるだけでなく、パッケージなどのデザインにこだわることでより効果的になると思われます。


出典:AlphaWise, Morgan Stanley Researchを基に弊社にて作成

 

まとめ

タイ人の中所得世帯の増加と可処分所得の増加に加えて、ペットを家族の一員として扱う傾向が強くなっており、これまでよりもペットに多くの費用をかけることをいとわない人が増加しました。これまではペット用品は中国製の非常に安価な製品が目立っていましたが、今後は上述した消費者のニーズの変化に対応して高品質・高価格帯の商品の増加が予想されます。タイでは依然として日本製は高品質という印象は健在ですので、そこに日本企業の勝機はあるかもしれません。

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