Report市場調査レポート

中国上海市における都市封鎖の現状

公開日:2022年6月10日

ポイント

  • 上海におけるゼロコロナ政策。
  • 深刻な都市封鎖の現状。

 

上海におけるゼロコロナ政策

①アフターコロナからの都市封鎖
中国のコロナ対策は、政府による強烈な封鎖政策(ゼロコロナ政策)により感染拡大防止を成功できたという経緯があります。世界に先駆けた経済活動の再開、徹底した国民の行動管理などゼロコロナ政策の成功とアフターコロナへの移行を国内外にアピールしてきました。国民からも圧倒的に支持されてきたゼロコロナ政策ですが、昨今の感染急拡大の局面においては非常に厳しい戦いとなっています。

②上海市におけるゼロコロナ政策(2022年6月1日時点)
2022年3月に上海市内においても変異株の感染拡大が本格化しました。大都市圏であり感染拡大スピードは他地域と桁違いに早く、封鎖地区が日々増えていく状況でした。3月末の政府による都市封鎖発表時点で、既に多くの市民は1ヶ月近くの隔離状況にありました。
上海市では居住地区単位で封鎖レベルを3段階に分類し、行動範囲を段階的に緩める政策を実施しています。陽性者を徹底的に洗い出し、集中隔離を実施することで、1日当たりの新規感染者数はピーク時の2万8千人弱から現在は30人以下の水準まで減少しています。感染者減少を受け、6月1日から公共交通機関の復旧、経済活動の再開が公表されましたが、実際はこれから段階的に再開といった状況で緊張感は無くなっていません。

深刻な都市封鎖

①食料調達に奔走する毎日(弊社駐在員のケース)
都市封鎖に伴い政府から食料支給もありますが、基本的に食料調達は自身で行う必要があります。
居住建物単位で業者から団体購入する方法が一般的となっていますが、団体購入のグループは知人同士が個々に結成しているため、グループへの参加や運用、代金決済、言語などで障壁があります。中国人の多くは外国人に対して親切で、多くの日本人も現地サポートに助けられています。
団体購入では数量に限りがあるものが多く、欲しい食材を購入するのではなく、とにかく今買えるものを入手する感覚です。また物流も制限されており、購入した食材の到着に1週間程度を想定する必要があります。
商品価格、送料ともに高騰していますが、背に腹は代えられないという考え方が浸透しており割高商品であっても早々に完売してしまいます。
2カ月を超える行動制限ストレスもありますが、常に情報収集していなければ、食料が手に入らないという恐怖やストレスは隔離生活者共通の大きな悩みとなっています。

配給:月2回程度(肉、麺、卵、砂糖、塩など)

小区団体購入例(バナナ1房):99元(約2,000円)

②在宅勤務における業務支障
突然の封鎖により、①業務に必要な物を会社から持ち出せていないこと、②社外からのアクセスに対する安全性が確保できていないこと、③政府による海外へのネット制限が厳しいことが在宅勤務の大きな支障になっています。

③今後の見通し
経済活動を犠牲にしてもゼロコロナ政策を継続するとの政府発表もあり、中国においては常に自宅や職場の封鎖は起こり得ることが前提となります。今後は、VPNを利用したクラウド管理やBCPマニュアルの策定、非常用品の事前準備など可能な限りでのリスク対策が必要となります。

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CCイノベーションでは、販売先・調達先の拡大に向けたコンサルティングを提供しています。海外商談会への出展サポートはもちろん、お客様の要望に基づいた販売先候補・調達先候補の個別リストアップ、アポイント取得、商談サポート、物流構築サポートなどを行っています。海外に販路を広げたい、海外からの調達を検討したい、というお客様は是非一度お気軽にご相談ください。

 

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