Report市場調査レポート

シンガポールのライブコマース市場

公開日:2022年5月10日

ポイント

  • 世界的に、特に中国でのライブコマースの発展が顕著
  • コロナ禍を機にシンガポールでもライブコマース市場が急速に発達
  • (参考)アジア各国の入国・隔離規制

 

世界のライブコマース市場

ライブコマースとはECとライブ配信を組み合わせた販売手法であり、有名人やKOL(Key Opinion Leader)と呼ばれるインフルエンサーがライブ形式で視聴者に商品の特徴などを紹介し、販売するサービスのことをいいます。

スマートフォンの普及も手伝い、世界中で利用者が増えているライブコマースですが、特に中国におけるライブコマース市場の発展には目を見張るものがあります。中国ではコロナ禍以前の2016年頃よりライブコマースが発達し始め、アリババ傘下のECサイト淘宝(タオバオ)や大手ECサイト京東(JD.com)もサービスを提供し始めたことにより一気に市場が拡大しました。その後、SNS系のプラットフォームである微信(WeChat)、新浪微博(Weibo)、抖音(TikTok)や快手などでライブコマース専用チャネルが設けられるようになり、より身近な商品購入手段として定着しました。中国のライブコマースの市場規模はコロナ禍以降の巣ごもり需要を背景に右肩上がりで伸び続けており、2021年には前年比90%増の1兆9,950億元(約33兆9,150億円、1元=約17円)に達する見込みです(右図、2021年7月時点推計)。

日本においても2017年頃からライブコマース関連サービスが登場し始めましたが、中国ほど浸透していないのが実情です。ライブコマースは化粧品やアパレルブランドとの親和性が高く、資生堂やユニクロといった大手メーカーのほか三越伊勢丹、イオンなどの小売り業も参入しています。最近では、ネット通販大手の楽天が楽天市場内でライブコマースサービスを開始し、話題となりました。今後も国内市場の普及に向けて各社の取り組みが加速していくことが予想されます。

シンガポールのライブコマース市場

シンガポールにおいてはコロナ禍をきっかけにライブコマースに取り組む企業が増え始め、ここ2年間で急速な発展を遂げています。近年、大手ECサイトのShopee(2019年6月開始)やQoo10(2021年4月開始)などがライブコマースサービスを開始し、Shopeeにおいては、東南アジア、台湾市場における2021年の視聴者数は前年比2.5倍に伸びたというデータもあります。また、FacebookやインスタグラムなどのSNSにおいてもライブコマースのプラットフォームが提供されており、Z世代やミレニアルといった若者世代を中心に利用が拡がりつつあります。

シンガポールでライブコマースが盛り上がりを見せる中、当社のお客様においても商談会をきっかけに前述ShopeeのライブコマースプラットフォームであるShopee LIVEにて商品販売を開始された事例がございました。実際に試してみると、購入方法は非常に簡単であり、下記のような流れで購入することができます。

  1. スマートフォンアプリでShopee LIVEを開く
  2. ショッピングカートボタンを押下し、購入商品を選択
  3. 決済方法、送付先等を選択
  4. 決済完了

ライブコマースには写真や商品説明文だけでは伝えきれなかった商品の特徴や魅力を動画で訴求できるという強みがあります。都市国家であるシンガポールにおいては北海道など一部地域を除き、日本各地の地域性が伝わりづらい傾向にあります。ライブコマース上で地元産品の持つ地域性やストーリー性を伝えることができれば、商品の知名度の向上や販売増につながることが期待できます。

ライブコマース先進国である中国と比べると、シンガポールのライブコマース市場はまだまだ未成熟であり、また各種規制緩和に伴う消費者のリアル店舗への回帰も見られますが、コロナ禍を機に主要な販売手法として定着した感があり、今後も市場規模の拡大が続くことが予想されます。

 

(参考)アジア各国の入国・隔離規制

当社各海外拠点における最新のコロナ規制の概略を記載します。(2022年5月1日(日)現在

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