Report市場調査レポート

シンガポールの健康志向の高まり

公開日:2022年1月11日

ポイント

  • 現地食品マッチングイベントでは、「健康」に関するバイヤーニーズが増えている
  • シンガポールでは政府主導で国民の健康促進に向けた積極的な施策が出されている
  • 健康関連商品は、シンガポールでのビジネスチャンスが今後も期待できる

現地バイヤーからの「健康」ニーズ

シンガポールでの日本食需要は依然として高く、シンガポール国内の和食店は1,252店舗(2021年6月時点)も存在します。コロナの影響で最近の新規出店は少なくなりましたが、それでも年々増加傾向にあります。
当社ではお客さまの海外販路開拓サポートのため、2021年10月に食品バイヤーマッチングイベントを開催しました。このイベントでは、北陸の食品企業28社の商材をカタログ化してウェブなど様々なチャネルを使い、飲食店や小売店、商社などのバイヤーに紹介し、非常に多くのバイヤーから引き合いがありました。中でも、「健康」に関する商材を求める声が多く、実際シンガポールでは人々の健康志向がどんどん高まってきており、特に日本食への安心安全、健康のイメージから日本食への期待は高まっているようです。

 

政府主導の健康促進

先進国で2番目の糖尿病率
シンガポールでは18~69歳の国民のうち、1割以上が糖尿病患者であり、60 歳以上に限定すると 3割以上となっています。これは先進国の中ではアメリカに次いで非常に高い比率です。シンガポールでは、極端に甘いものや辛いものが好まれる傾向にあり、シンガポールで糖尿病患者が増えている原因とも考えられています。

糖類含有量の多い飲料への規制
リー・シェンロン首相は2017年から国民の健康促進、糖尿病抑制を宣言し、糖尿病患者増加の要因には甘い飲み物の消費があるとみて抑制策を検討してきました。2019 年 10 月に、シンガポール政府は糖類含有量の多い飲料に対して栄養情報の表示を義務付けると公表し、2022年12月から適用される見通しです。表示は、糖類含有量に応じて「A」「B」「C」「D」の4段階で区別され、 「C」「D」に関しては商品に専用のマークを付ける必要があります。最も低い「D」、つまり糖類含有量の多い飲料についてはテレビ、メディア、屋外等での広告が禁止されます。この新しい規制が実施されれば、シンガポールは糖類含有量の高い飲料に対して広告禁止を行う世界初の国となります。大手メーカーはこれに同調し、それぞれの製品の糖類含有量を12%以下にするよう以前から表明してきました。

トランス脂肪酸を多く含むPHOの製造、販売禁止
2021年6月より、トランス脂肪酸を多く含む「部分水素添加油脂(PHO)」を使った食品の、国内での製造・販売が禁止され、これにより輸入も禁止になりました。PHOはスナック、焼き菓子、インスタントヌードルなどによく使われ、善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールを増やす原因になるため、生活習慣病などの疾患リスクを高めます。2019年時点では流通する菓子の約1割が、PHO含有商品とされていました。

 

健康志向の高まり

Healthier Choice Symbol商品の増加
「Healthier Choice Symbol」とは、1998年にシンガポール定められた認証で、これは、一定の基準を満たす食品に対して認定シンボルが与えられる制度です。小売店でも非常に多くの商品に表示があり、登録数は2001 年の 300 品目 から現在では2,600 品目以上に増えています。

シンガポールのサプリメント市場の拡大
健康志向の高まりからシンガポールのサプリメントの市場規模は、2019年には約6億SGDと右肩上がりで成長しており、2024年には7億SGDを超えると予想されています。また、コロナ禍での在宅ワークや外出規制にともなう運動不足から、サプリメント以外にも運動、健康関連商品への需要も高まっています。

海外販路開拓は当社にお任せください

日本・シンガポール間では、まだビジネス往来も厳しい状況が続いていますが、コロナ禍で新たなビジネスチャンスも生まれています。例えば、コロナの影響で海外商談会が非常に少なくなったことで、現地バイヤーは新たな商材と出会うチャンスが減少しています。そんな中、当社から直接、バイヤーに商材を紹介すると喜ばれることが多く、マッチングの成約も複数出てきています。
当社では、現地バイヤーの紹介のみならず、市場調査、商談サポート、物流構築含めトータルサポートさせていただいておりますので、海外進出をご検討の際には、CC イノベーションまでお気軽にお問合せください。

 

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