調査レポートREPORT
- 2021年10月12日
- 海外レポート
香港・コロナ禍における販路拡大への期待
公開日:2021年10月12日
ポイント
- 日本からの農林水産物・食品輸出額は国・地域別で首位。
- コロナ禍で家庭で料理し食事する人口が増え、日本食品の商機は従来の高級食材から日常食材にも広がっている。
コロナ禍における香港市場の現状
①日本からの農林水産物・食料品輸出額は国・地域別で首位
日本の農林水産省によると、2020年の香港向け農林水産物・食品の輸出額は前年比1.2%増の2,060億円でありコロナ禍においても前年比プラスを確保し、国・地域別で16年連続の首位を維持しています。香港市場では既に人気の高い日本食品ですが、昨今のコロナ禍においては需要に変化が起こっています。
例えば、2020年で輸出額が大きく伸びた食品に鶏卵があり、前年比で2倍以上となっています。輸出額は44億6,000万円となり、鶏卵の輸出額全体の97%を香港向けが占めている状況です。(2021年度も好調に推移)
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香港向け農林水産物・食品の推移
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農林水産物・食品の地域別内訳(2020年)
②コロナ禍で広がる日本食品の商機
このように、これまで香港市民から支持されてきた果物などの高級食材のみならず、日常食材にも商機が広がってきています。大きな理由として「コロナ禍で外食が制限される中、家庭で簡単な料理を作って食べる香港市民が増え、日本の食材が香港の食卓にマッチしたこと」が考えられます。
現地サイドでも「日本食品に対する安心安全なイメージは、コロナ禍でさらに需要が高まった」(香港百貨店談)との見方も広がっており、日本の食品全般に販路拡大の追い風が吹いています。
香港バイヤーが求めるモノ
元々の日本人気(食品・工芸・文化)が土台にあることから、多くの香港バイヤーにとって日本食品は魅力的であり、コロナ禍はより販路拡大チャンスとして捉えられています。香港バイヤーの声を参考に、各分野でのニーズを下記にまとめました。
農産物
日本から香港に輸出される食品で一番多いのが、農産物です。香港バイヤーにとっても、いちごやぶどう、メロンなどの高級食品ニーズが強いです。多くの農産物に共通として、「オーガニック・無農薬」が人気の理由となっています。 昨今は、巣ごもり需要もありコメや鶏卵といった日常食材にもニーズが高まっています。
水産物
香港バイヤーにも北陸地区の認知度は高まっており、加工品を含め「のどぐろ」や「白エビ」、「牡蠣」等のニーズが高まっています。香港では、数年前にサーモンの品質が疑問視されたことも話題となりました。おいしさに加え、刺身・寿司など日本の生食文化からくる安全性の高いイメージも人気の一因です。
アルコール飲料
コロナ禍において、急激に需要が伸びているのがアルコール飲料です。日本に観光に行けない影響も大きく、香港での日本酒人気は加速しています。香港バイヤーにおいては、「知名度の高い銘柄の取引拡大」と「香港に進出していない小規模な酒蔵を含めた酒造メーカー開拓」が加熱しています。
菓子類
香港では日系小売店も数多く進出しており、日本で取り扱われているような有名商品はすでに市場に溢れています。価格も重視される分野ですが、「製造者の思いなどの製品ストーリーを伝えること」・「産地や材料での差別化」・「現地好みの食感・風味(甘党傾向で、つるつる・モチモチ食感が人気)」など今後も販路開拓が見込まれる分野です。また、テイクアウトのしやすさや衛生面から小分け商品が好まれる傾向にあります。
CCイノベーションがお手伝い致します
CCイノベーションでは、香港商談会やシンガポール商談会等を開催し、今までたくさんのお客様のビジネスマッチング・販路開拓のお手伝いをさせていただいております。
日本・香港間では、まだビジネス往来も厳しい状況が続いていますが、コロナ禍で新たなビジネスチャンスも生まれています。
今後もオンラインを活用した海外商談会の開催・販路開拓サポートを予定しております。海外進出をご検討の際には、CCイノベーションがお手伝いさせていただきます。
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