調査レポートREPORT

2026年01月15日
コラム

【アフリカ日記vol.11】アプリで全て済むはずが…ケニア配車アプリの“電話文化”

✓ ケニアでも一般的な配車アプリ、Uber、Boltなど多くの企業がサービスを提供。

✓ ケニアで配車アプリでは、配車確定した直後にドライバーからかなりの確率で電話がかかってくる。

 

 

今回は、ケニアでUberなど配車アプリを使ったときに誰もが経験する”あるある”についてご紹介します。

 

ケニアでは配車アプリサービスが浸透していますが、ケニアでそれらを利用すると最初に必ず驚くことがあります。

それは、配車が確定した直後にドライバーからかなりの確率で電話がかかってくることです。

「どこに迎えに行けばいいか」「目的地はどこか」といった確認ですが、日本ではあまり経験しない状況かと思います。

当然アプリ内で送迎場所、行き先など表示でされているにも関わらず、なぜ電話して確認してくるのか・・この点を今回解説します。

 

 

■理由①:位置の特定が難しい

ケニアのモバイル加入率は140%程度で、電子マネーなどのサービス中心にスマホがインフラ化していますが、一方でケニアでは住所制度や道路表示がまだ発展途上の部分もあります。建物に番地が無いケースも多く、地図アプリのピンが数十メートルずれてしまうことも日常的です。そのため、アプリの位置情報だけで乗客の正確な場所を把握するのは難しく、ドライバーが電話で細かく確認する必要があります。

 

■理由②:通信費節約

ケニアのデータ通信料金は、日本のローコストキャリアくらいの感覚です。外国人にとっては決して高くはないですが、彼らの月収は7万円程度であり、そうなるととても高額であるため、アプリで長時間通信したり位置情報を更新し続けることを避けたい人も多くいます。一方、音声通話は比較的安価で確実なため、「アプリでやり取りするより、1回電話したほうが早くて安い」という合理的な行動につながっています。

 

■理由③:言葉で確認する文化

ケニアでは声で確認を取ることが信頼の表れとされる場面が多くあります。ビジネスでも日常でも、まず電話でコミュニケーションを取るという習慣が根強く残っています。現に、ケニアでも日本人の方とのコミュニケーションはメール、チャットなどが中心で、場合によって電話などですが、ケニア人の方は結構電話してきます(少し前の日本も電話中心だったことを考えると、なるほどと思います)。ドライバーにもその文化が反映され、「キャンセルされる心配はないか」「本当に利用する客なのか」という判断を声で行いたいという感覚が働いているようです。

また、この「キャンセルされないか・・」というドライバーの心配事の背景として、彼らの懐事情が大きく影響しています。ケニアには、配車アプリのドライバーになるために車をローンなどで購入し、その返済のためにドライバーとして働いている人も多いです。こうした場合、返済は日払いや週払いが一般的で日々の資金繰りに苦労する人も多く、さらにガソリン価格の高さも大きな負担となっています。現在のケニアのガソリン価格は約220円/リットルと、決して安いものではありません。そのため、ドライバーは配車に向かっている途中でキャンセルされることを避けたい、せっかく乗客を確保したら確実に利用してもらいたいという思いが強く、電話をかけてくるのはその表れだと感じます。

 

 

スマホがインフラとして普及し、配車アプリや電子マネーのようなモバイルサービスが生活の中心にある一方で、アプリだけですべてが完結しないのがケニアの面白いところです。テクノロジーを使いこなしつつ、必要な場面ではアナログな方法で補完する・・、この柔軟さはアフリカの都市生活の特徴で、本当に興味深いなぁと感じます。

最初は毎回電話してくるドライバーにイライラしていましたが、今では電話が来ることでちゃんと間違いなく正確な場所に向かってきていることも確認できて、むしろ安心感を覚えるようにもなっています。ケニアでの生活も1年半が過ぎ、こうした習慣が自分の中で自然になってきたことにも驚いている今日この頃です。

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