seminar Report

セミナーレポート

世界標準の経営理論で考える
DXとイノベーション
2025521
CCIクラブの第5回の講演会は、早稲田大学大学院経営管理研究科、早稲田大学ビジネススクール教授である入山章栄先生をお迎えし、「DXとイノベーション」をテーマに講演いただきました。
会場 北國銀行本店3F メインホール
講師 入山 章栄氏

北國フィナンシャルホールディングスおよびCCイノベーションが運営する会員制クラブ「CCIクラブ」において、第5回講演会を開催いたしました。

 

今回は、早稲田大学大学院経営管理研究科・早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄先生をお招きし、「世界標準の経営理論で考えるDXとイノベーション」をテーマにご講演いただきました。

講演ではまず、イノベーションを起こすための第一歩として、生成AIについて解説いただきました。生成AIは「自然言語とインテリジェンスの大革命」であり、その活用可能性を「知識軸」「抽象軸」「表現軸」の3つの観点から捉えると理解しやすいとのことです。入山先生ご自身も、かつては英語論文の検索・読解に何十時間も費やしていたものの、現在では生成AIを活用して文献の要約や対話を通じた情報収集を行うことで、生産性が飛躍的に向上していると実体験を交えてお話しいただきました。

続いて、なぜ今DXやAIが必要なのかという問いに対し、「現代は不確実性が高く、イノベーションが求められる時代である」と指摘されました。社内でイノベーションを起こすには、経路依存性のある既存の仕組みを抜本的に改革する必要があり、大企業よりも中堅・中小企業の方が柔軟に対応できるため、イノベーションを起こしやすいと強調されました。

また、入山先生が長年提唱されている「両利きの経営」についても詳しくご説明いただきました。知の探索と知の深化の両立が重要であり、それらをデジタル技術で促進・徹底することが、イノベーションの鍵であると語られました。さらに、実際にイノベーションを実現している企業の具体例もご紹介いただき、参加者の理解を深めてくださいました。

講演の締めくくりには、AI時代において人間が果たすべき役割についても触れられました。人間にしかできないこと―それは「決断すること」「責任を取ること」、そして「感情や五感を通じて人とつながること」であると述べられ、AIの活用と人間の価値の両立の重要性も改めて認識する機会となりました。

講演後には、参加者同士のディスカッションが行われ、多くの会員の皆さまから活発なご質問をいただきました。入山先生との間で多様な議論が交わされ、非常に有意義な学びの場となりました。

最後に

CCIクラブでは、時代に即した経営者を目指す皆さまに向けて、今後も入山先生のような第一線の講師をお招きし、学びの機会を提供してまいります。CCIクラブへのご意見・ご要望がございましたら、どうぞお気軽にCCイノベーションおよびCCIクラブ事務局までお問い合わせください。

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